下痢が起きる原因と治療
2018.03.26

軟便(ゆるい便)はなぜ起きる?続くと危険?

水分量がいつもより多い便(軟便)はなぜ起きてしまうのでしょうか。軟便が続く場合、気をつけなければいけないことがあるのでしょうか。軟便が起きるメカニズムや、原因、予防法などについてドクター監修の記事で紹介します。

便がいつもよりゆるいと、原因は何なのか気になることがあるかもしれません。便は健康のバロメーターとも言い、体調を反映するものとされているので、普通でない状態が続くと心配になってしまいますよね。

軟便という言葉は広く知られていますが、正確にはどんな状態を指すのでしょうか。また、特に腹痛がないのに軟便が続くといった場合、注意することはあるのでしょうか、軟便にまつわる、色々な疑問についてドクター監修の記事でご紹介します。

軟便とは

便の状態は、「ブリストルスケール」という診断基準によってはかられます。便の形状を7つに分類したもので、内容は下記の通りです。

  1. 小さい塊が木の実のようにバラバラに出てくる硬い便
  2. 小さな硬い塊がつながり合わさったソーセージ状の硬い便
  3. 表面にひび割れのあるソーセージ状の便
  4. なめらかで柔らかいソーセージ状の便
  5. 細切れになって出てくる半固形の柔らかい便
  6. ハッキリとした形がない泥のような便
  7. 固形物を含まない水のような便

健康な状態の便は4で、軟便は5に当てはまります。さらに便の水分量が多くなると、6、7に移行します。

軟便は続くと危険?

結論から言うと、軟便には何らかの原因があるものの、生活習慣の改善で治る場合がほとんどです。それでも治る気配が無かったり、血便や熱が出たりという状態が見られるのであれば、早めに消化器内科を受診してください。

軟便が起きるメカニズム

便の水分が増えて軟便になってしまうのには、腸の働きが関係しています。腸は食べたものや消化液に含まれる水分を吸収する役割を持っていますが、何らかの原因で水分吸収が妨げられると、便の水分量が増えてしまうのです。水分吸収を阻害するメカニズムには下記の4つがあります。

  • 消化物が腸の外から水分を引き寄せる
  • 腸に炎症が起きて腸管内に体液が滲み出てくる
  • 腸が出す分泌液の量が増える
  • 消化物の通過速度がはやすぎて水分吸収が追いつかない

軟便の原因

上記のような腸の不調は、様々な原因によって引き起こされます。

食中毒や感染症

細菌やウイルス、寄生虫などが腸の中で毒素を産生したり、細胞を破壊したりすることで便中の水分量が増えてしまいます。原因となる有害物質は食べ物を通して体内に入ることもありますし、感染者の便や吐しゃ物からうつることもあります。

  • 細菌(毒素源性大腸菌、黄色ブドウ球菌など)
  • ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルスなど)
  • 真菌(カビ)
  • 自然毒(キノコやジャガイモの芽、貝など)

食べ過ぎや飲み過ぎ

暴飲暴食によって油や香辛料など、腸を刺激するものを多く摂りすぎると、刺激によって腸の動きが活発になります。その結果、消化物の通過スピードが上がり、水分を吸収しきれないまま排泄されてしまうのです。軟便の原因となるような食べ物には、下記のようなものが含まれます。

  • 脂っこいもの(揚げ物、ラーメンなど)
  • 香辛料(トウガラシ、にんにくなど)
  • お酒、アルコール
  • 人工甘味料(キシリトール、ソルビトールなど)
  • 食物繊維(野菜、果物など)
  • ミネラルウォーター(硬水に含まれるマグネシウム)

生活習慣

ストレスの多い生活で緊張した状態が続いていると、自律神経が乱れて胃腸の働きが弱まり、水分吸収が妨げられることがあります。また、夏場に暑いからといって冷たいものを食べ過ぎたり、エアコンの効いた部屋に長時間いたりして身体を冷やすことも、腸の機能低下につながります。

体質

特定の物質を消化できなかったり、アレルギーがあったりすると腸の中に水分が増えたり、腸が炎症を起こしたりして軟便になります。体質が関係する軟便の原因としては、下記があげられます。

  • 乳糖不耐症
  • 食物アレルギー
  • セリアック病

感染症以外の病気

腸に炎症が起こる病気や、腸が刺激に敏感になりすぎてしまう病気を持っていると、便中の水分量が増えたり便の通過速度が早まったりします。

  • クローン病
  • 潰瘍性大腸炎
  • 過敏性腸症候群
  • 膵炎

医原性

薬の処方などの医療行為によって、腸の運動が活発になりすぎたり腸内細菌のバランスが崩れたりして軟便を引き起こすことがあります。副作用として軟便・下痢の症状が出る薬や治療には、下記のようなものがあります。

  • 抗がん剤
  • 抗菌薬
  • 免疫抑制剤
  • 痛風発作の予防薬
  • 放射線治療

軟便や下痢の原因については、『下痢がちな人が気をつけるべき5つの原因とは』もご覧ください。

軟便の治療と予防

一時的な軟便であれば、とくに治療を行う必要は無く、生活習慣の改善で治る場合がほとんどです。

生活習慣

脂っこいものやお酒は適量を意識しましょう。牛乳や香辛料など、自分が軟便を引き起こしやすい食材があるとわかっている場合は、食べ過ぎを避けてください。夏は、冷たいものの摂り過ぎや冷房の温度に注意します。また、悩みや不安を感じやすい方は、ストレスがかかりすぎている可能性があります。リラックスできる時間を持つことや、一人では解決できないようであれば周りの人や心療内科の助けを得ることも有効です。

感染予防

多くの場合、手指や調理器具、食器を清潔に保ったり、食品の十分な加熱に気をつけたりすれば感染症は予防できます。手洗いの後にアルコールで除菌するのもよいでしょう。

軟便や下痢の予防については『下痢を予防する生活習慣』もご覧ください。

上記の改善を行っても軟便が続くようであれば、何らかの病気が原因となっている可能性があります。そのような場合は、消化器内科に相談してみてください。

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