下痢が起きる原因と治療
2018.03.26

下痢を治す市販薬(下痢止め、止瀉薬)の種類と特徴

下痢は細菌などの異物を身体から早く追い出そうとする一種の生体防御反応です。そのため下痢止め(止瀉薬)はうまく使わないといけない薬です。ここでは、下痢の薬を使ってよい場合と、市販薬の種類と特徴についてドクター監修のもと解説します。

下痢が起きたとき、家に常備してある下痢止めや、手軽に薬局で買える止瀉薬(ししゃやく)を用いて治そうと思う人は多いでしょう。しかし、下痢の薬を使ってもよい場合と、あまりよくない場合があることをご存知でしょうか。ここでは、下痢の治療として薬を使ってよいのかどうかと、市販されている下痢の薬の種類と特徴についてドクター監修のもと解説します。

下痢の薬を使ってはよくない場合は?

下痢は、細菌や毒素、ウイルス、消化できなかったものなどを早く体内から出そうとするために起こる、一種の身体の防御反応と捉えることができます。下痢止め(止瀉薬)を使うと、下痢そのものは止まるのですが、身体からいらないものを出すという機能も止めてしまいます。そのため、下痢に薬を使う際にはいくつか気を付けたいポイントがあります。

こんなときは病院へ

下痢が起こったときに、下記のような症状や状況にある場合は、自己判断で下痢止め(止瀉薬)を飲まずに病院(内科、消化器科)に行きましょう。

  • 発熱を伴う下痢
  • 血液や粘液が混じった下痢
  • 急性の激しい下痢
  • 腹痛や腹部膨満感を伴う下痢
  • 吐き気・嘔吐を伴う下痢
  • すでに別の病気で医師の治療を受けている場合

急性の下痢症は水分補給が第一

急性の下痢症では、約9割が感染症によるものといわれており、発熱、嘔吐、腹痛などを伴うことが多いです。軽症であれば、下痢で失われた水分と電解質を補給するだけで回復します。

発熱などの症状がなく、下痢に血が混じっていない場合で、下痢の症状がつらいのであれば、市販の下痢止め(止瀉薬)を使って様子を見てもよいでしょう。一般的な急性の下痢症は数日~1週間以内には回復します。薬を5~6日服用しても症状がよくならない場合は病院へ行きましょう。

慢性の下痢症は原因を見つけることが大事

下痢が4週間以上続く場合は慢性の下痢症と呼ばれます。急性の下痢症とは異なり、感染症ではない場合が多いです。飲んでいる薬やサプリメント、栄養素の吸収不良、腸の病気などの原因を見つけ出して、その原因に応じた治療が必要になります。この場合は、下痢止め(止瀉薬)を使っても根本的な治療にはなりませんので、病院に行って原因を調べてもらいましょう。

市販されている下痢の薬の種類と特徴

では、ここからは薬局やドラッグストアで買える下痢止め(止瀉薬)の種類や特徴を紹介します[1]。成分は大きく6つに分類できます。

  • 腸内殺菌成分
  • 収斂(しゅうれん)成分
  • 吸着成分
  • 腸運動抑制成分
  • 腸管運動調整成分
  • 生薬成分

以下、この分類ごとに下痢止めの成分を解説していきます。薬のパッケージにどの成分が入っているか記載されているので、購入する際に確認してみてください。いろいろあってややこしいので、薬剤師に相談して購入することをおすすめします。薬を飲む際には、添付されている説明書きをよく読んで、用法・用量を守って使用しましょう。

腸内殺菌成分

腸内の有害な細菌を殺菌する成分です。

主な成分
アクリノール水和物
タンニン酸ベルベリン
ベルベリン塩化物水和物

収斂(しゅうれん)成分

腸の粘膜を覆って刺激から保護し、炎症を鎮める成分です。

主な成分
次硝酸ビスマス
次没食子酸ビスマス
タンニン酸アルブミン

吸着成分

腸内で発生した有毒物(細菌が出す毒素など)を吸着する成分です。

主な成分
カオリン
天然ケイ素アルミニウム
ヒドロキシナフトエ酸アルミニウム

腸運動抑制成分

副交感神経を抑制し、腸の蠕動運動を抑制する成分です。腸管での水分分泌を下げる働きもあります。

主な成分
ロートエキス
ロペラミド

腸管運動調整成分

腸内細菌に影響を与えずに、腸の蠕動運動を正常化させます[2]。

主な成分
木クレオソート

生薬成分

漢方薬で使われている生薬を配合した下痢止めもあります。腸粘膜を保護して炎症を鎮めるとされています。

主な成分
アセンヤク
オウバク
カンゾウ
ゲンノショウコ

参考文献

  1. [1]日本OTC医薬品情報研究会編. OTC医薬品事典 第15版. じほう2016; 177-187
  2. [2]大幸薬品株式会社. "有効性2. 大腸の蠕動運動亢進に対する正常化作用"
  3. http://www.seirogan.co.jp/medical/creosote/effective02.html(参照2018-03-27)

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