生活習慣
2018.04.27

冷えで下痢になる理由と治療・予防法

冷たいものの摂り過ぎや寒い場所にいるときなどに、お腹が痛くなったり下痢をしたりしたことはありませんか?冷えによって腹痛・下痢が起こるメカニズムや、その予防・対処について、詳しく紹介します。

なぜ冷えで下痢が起こるのか、そのメカニズムについて順を追って解説していきます。冷たいものを摂り過ぎたり、空調の温度を下げ過ぎた場所に長くいたりすると、どのような症状が起こるのでしょうか。

冷えで下痢が起こる理由

人体の体温調節には、自律神経がかかわっています。そして、胃や腸などの内臓や全身に分布している血管は、暑くなると副交感神経の働きによって血管を拡げて体温を逃がし、寒くなると交感神経の働きによって収縮して体温を逃がさないようにするのです。

冷たいものや冷房により内臓が冷えると、温度を維持する身体の反応により、血管が収縮します。交感神経と副交感神経の働きによって血流が調節されているため、バランスが崩れると血行が悪くなってしまうのです。

冷えによって血行が悪くなることでおこる体調不良の一つに、消化機能の低下があります。臓器全般の動きが鈍くなった結果、消化・吸収がうまく行われなくなります。

また、食物を消化するときに使われる消化酵素は体温が低くなると働きが悪くなるため、これも消化不良の原因となります。そして、消化不良によって腸から吸収されない物質(オリゴ糖などの糖類)などが腸管内に留まると、腸管内の浸透圧(水を引っ張る力)が高くなります。人体は浸透圧を均等に保とうとするため、腸からの水分吸収が抑制され、それと同時に腸管への水分分泌が促進されて、腸管内の水分が多すぎる状態になってしまいます。

また、消化不良で下痢を起こしている場合は、食べ物を消化しようと腸の蠕動運動(内容物を送り出す動き)が活発になるため、それによって腹痛も起こります。

冷えによる下痢の治療

腸の機能低下による下痢は急性のものなので、一定期間安静にしていれば治ります。まずは腸を休めてあげましょう。暴飲・暴食は避けてください。

また、下痢をしているときは体内の水分と電解質(ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなど)が失われてしまうので、それらを補給してあげることが大切です。スポーツドリンクには糖分が多く含まれているため美味しく、エネルギーの補給もできますが、血液と同じ浸透圧に調整されているため腸から水分が吸収されにくく、水分補給は早くないのです。脱水時の水分・電解質補給には、スポーツドリンクよりも糖度は低く、電解質濃度は高く調整された経口補水液がお勧めです。ただし、一度にたくさん飲むと胃腸に負担がかかるため、少量を何回かに分けて飲みましょう。

もし、安静にしていてもよくならず苦しい状態が続くのであれば、止しゃ薬(下痢止め)を使うのも一つの手段です。市販の止しゃ薬は色々な種類がありますが、それらの主な成分の例としては以下のものがあります[1]。

木クレオソート
腸の過剰な蠕動運動を正常に戻す。水分分泌を抑制し、水分吸収を促進
タンニン酸ベルベリン
腸内の有害細菌に対して殺菌作用を持つ
ロートエキス
腸の過剰な蠕動運動を抑制
ロペラミド
腸の蠕動運動を強く抑制 

冷えによる下痢の予防・対策

お腹を冷やしすぎないために、生活習慣での予防法をいくつか紹介します。

アイスや冷たいジュースなどを摂り過ぎない
冷たいものは内臓の動きを鈍くしますし、過剰な糖分も下痢の原因となります。温かい食べ物や飲み物を摂ることを心がけましょう。
香辛料を使う場合は適度な量にする
多量の香辛料は胃や腸などを刺激してしまいます。
体温を調節できる服装
薄手の羽織れるもの、ひざ掛けなどを用意しておくとよいでしょう。夏場でもお腹を出して寝ないように気を付けましょう。
空調と一緒にサーキュレーター(扇風機)を使う
温かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まります。扇風機をうまく使うと上下の空気を循環させることができ、快適に過ごすことができます。
また、空調をつけなくても、扇風機を窓側に置き、室内に向けて稼働させることで、屋外の涼しい空気を取り入れることもできます。

こんな下痢には要注意

経験したことがないような激しい下痢、発熱や嘔吐を伴う下痢、便に血が混じっている、なかなか症状がよくならない、などの場合は感染症や別の病気も疑われます。早めに医療機関を受診するようにしてください。

下痢の原因には、様々なものがあります。詳しくは『下痢が起こるメカニズムや原因・治療・予防』で紹介しているので、あわせてご覧ください。

参考文献

  1. [1] 一般社団法人 日本OTC医薬品情報研究会. OTC医薬品事典2018-19 第16版. じほう 2018; 170

今すぐ読みたい

「生活習慣」の関連情報