生活習慣
2018.03.26

食べ過ぎで下痢になる理由と治療・対策

突然の下痢の原因のひとつとして「暴飲暴食」があげられますが、具体的にはどのようなしくみで下痢に至るのでしょうか。ここでは食べ過ぎで下痢になる理由や、食べ過ぎによる下痢の対策について、ドクター監修のもと解説します。

どんなに健康な人でも、突然の下痢に見舞われたことが1度や2度はあることでしょう。いきなりやってくる下痢のなかには、暴飲暴食が原因となって引き起こされるものもあります。ここでは食べ過ぎが原因で下痢が発生する理由としくみを詳しくご紹介すると共に、治療や対策についても解説します。

食べ過ぎで下痢になる理由

私たちの胃腸は、食べ物や飲み物を消化・吸収する働きを担っています。それを助けるものとして体内では唾液や胃液、胆汁などの消化液が分泌されており、食べ物・飲み物の水分と合わせると、1日あたり約9リットルもの水分が腸管に流れ込んでいるのです。

この9リットルの水分の約9割は腸管で吸収されるため、便は固形の状態で排出されます。しかし、以下のような理由で水分がきちんと吸収されないと、便と一緒に排泄されて下痢を起こすことがあります[1]。

腸管の働きが活発になりすぎている

腸では消化物を送り出すために、蠕動運動(ぜんどううんどう)が行われています。しかし、この蠕動運動が過剰になりすぎると、消化物の通過スピードが速まり、水分を吸収しきれないまま、排泄されることがあります。

蠕動運動は食べ過ぎや飲み過ぎ、香辛料(辛い食べ物やにんにくなど)による刺激、アルコールによる刺激などをきっかけに過剰になります。

腸が水分をうまく吸収できない

食べた物のほうに原因があるケースもあります。たとえば、食べ物の浸透圧(水分を引き寄せる力)が腸管外よりも高い場合などです。消化しづらい食べ物を大量に摂取すると、腸は水分を吸収することができません。

食べ過ぎによる下痢の治療・対策

暴飲暴食による下痢の多くは軽症で自然に回復するため、治療を必要としないことがほとんどです。できるだけ安静に過ごし、胃腸を休ませましょう。失われてしまった水分をしっかり補給し、胃腸にやさしい食べ物を選ぶことも大切です。

水分や電解質の補給

下痢が続くと体から水分が失われ、脱水症状を起こす可能性が高まります。すみやかに水分補給を行いましょう。おすすめなのは、水分と共に失われた電解質(ミネラル)を効率よく補給できる「経口補水液」です。経口補水液は薬局やコンビニエンスストアなどで販売されています。

電解質(ミネラル)はスポーツドリンクにも配合されていますが、糖分も多めに含まれているため、飲み過ぎには注意しましょう。

消化吸収のよい食べ物を摂取する

食事をとるときは、消化吸収のよいものを少しずつ、ゆっくりと食べましょう。以下のようにやわらかく煮たものや口当たりのよいもの、ビタミン・ミネラルを摂取できるスープ状のものなどがおすすめです。味付けはできるだけ薄くしましょう。

  • おかゆや重湯、よく煮込んだうどん
  • 味噌汁や野菜スープ
  • すりおろしたりんご

脂肪の多い肉や糖分・油分の多いスナック類やファストフード、胃や腸に刺激を与えるコーヒーやアルコール、炭酸飲料、かんきつ類などは避けましょう。

このほか、食べ過ぎ・飲み過ぎによる下痢に効果のある下痢止め薬を飲むのもよいでしょう。

突然の下痢は感染症(食中毒)の可能性も

突然起こる下痢のなかには、発熱や激しい腹痛、吐き気・嘔吐、血便をともなう非常につらい下痢もあります。

急性の下痢の約9割は、細菌やウイルス、寄生虫などによる感染性の下痢と考えられています[2]。これは、肉や牡蠣などを十分に加熱しないまま食べてしまったり、海外渡航先で生水を口にしたりすることで発生するもので、いわゆる食あたりや水あたり、食中毒のことです。こうした下痢のときは安易に下痢止めを使用するのではなく、ただちに医師の診察を受けるようにしましょう。

感染性の下痢など、さまざまな下痢の原因について詳しくは、『下痢がちな人が気をつけるべき5つの原因とは』をご覧ください。

参考文献

  1. [1]一般社団法人 日本臨床内科医会 編. "下痢の正しい対処法" 一般社団法人 日本臨床内科医会.
  2. http://www.japha.jp/doc/byoki/042.pdf
  3. [2]福井次矢ほか監修.ハリソン内科学(第5版)メディカル・サイエンス・インターナショナル.

今すぐ読みたい

「生活習慣」の関連情報