体質によるもの
2018.04.27

アレルギーで下痢になる理由と治療・対策

食物アレルギーでは様々な症状が現れますが、下痢もそのひとつです。アレルギーで下痢が起こった場合、何に注意すればよいか、またどうして起こるのか、どのように治療するかなどについてドクター監修の記事で紹介します。

アレルギーと言えば、アトピー性皮膚炎や花粉症、喘息など皮膚や呼吸器の症状がよく知られていますが、下痢や吐き気など消化器の症状も見られます。特定の食物を摂取した後に決まって下痢が起こる場合、食物アレルギーが原因かもしれません。

食物アレルギーの症状として下痢が起こる

特定の食物にアレルギーを持っていると、アレルゲン(原因食物)を食べてから、数分~30分以内に下記のような症状が現れます。カッコ内の数字は、全体に対する症状の出現率です[1]。

  • 皮膚症状(94.7%)…かゆみ、湿疹、じんましん
  • 目の症状(30.3%)…かゆみ、白目が赤くなる、まぶたの腫れ、涙が出る
  • 消化器の症状(24.2%)…腹痛、下痢、吐き気、嘔吐
  • 口の症状(22.8%)…かゆみ、唇の腫れ
  • 鼻の症状(9.6%)…鼻水、くしゃみ、鼻づまり

腹痛や下痢など消化器の症状は全体の1/4程度に見られ、珍しいものではありません。

重症だとアナフィラキシーになる

アレルギー症状が強く、全身に発生して、生命に危険が及ぶことを「アナフィラキシー」と呼びます。緊急性が高く、すぐに医療機関を受診しなくてはいけません。下記はアナフィラキシーの症状です。

全身の症状

  • 血圧が低下する
  • 脈が測りにくい
  • 意識がもうろうとする
  • 尿や便を漏らす

消化器の症状

  • 強い腹痛が続く
  • 繰り返し吐く

呼吸器の症状

  • ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸をする
  • 息がしにくくなる

これらの症状が現れて、もしエピペンという注射薬を処方されている場合はすぐに注射してください。軽い症状であれば様子を見るのでもよいですが、症状がだんだん重くなったり、一旦治ってもまたぶり返したりするなら病院を受診しましょう。

食物アレルギーで下痢が起こる理由

アレルギーによって、身体が外敵とみなしたものに過剰な免疫反応を起こすと、炎症をきたします。アレルゲンが腸に入ると、腸の粘膜は炎症を起こし、傷つきます。すると、傷ついた部分から体液がしみ出して、消化物の水分が増えて下痢になります。また、臓器が傷ついていると働きも乱れるので、消化が十分に行えなくなったり動きが過剰になったりして、やはり下痢につながってしまいます。

ちなみに、食物アレルギーは乳幼児に多く発症します。理由は、消化器の発達が未熟で、食物に含まれる成分が腸の壁を通り抜けやすくなっているからです。成長すると消化器が発達して、食物を吸収しても問題ない状態にまで分解できるようになるため、食物アレルギーの発症率は低下します。

食物アレルギーが起こりやすい食材

平成23年のデータによると、下記の割合になっています[2]。

  • 鶏卵:39%
  • 牛乳:22%
  • 小麦:12%
  • ピーナッツ:5%
  • 果物類:4%
  • 魚卵:3%
  • 甲殻類:3%
  • 木の実類:2%
  • ソバ:2%
  • 魚類:2%
  • その他:5%

食物アレルギーで起こる下痢の治療・対策

アナフィラキシーの症状が出ていればすぐに病院に行くべきですが、一過性の下痢症なら安静にしていれば治ります。脱水を防ぐため、水分補給を忘れないようにしましょう。

食物に限らず、アレルギーの基本治療は、原因となる物質を遠ざけることです。しかし、まったく摂取しないよう注意すべきというわけでもなく、程度には個人差があります。自己判断で厳格な食事制限を行うと、栄養が偏ることがあるので、医師の指導のもと治療を進めます。

例えば、鶏卵は生の状態ではアレルギー反応が起こるが、加熱すると問題ないという人もいます。これはアレルゲンのタンパク質が、熱によって変性するからです。また、少量なら大丈夫という場合もあります。さらに、子どもであれば前述の通り、成長にともないアレルギーの症状が出なくなることもあります。特定の食物でアレルギーが起こってしまう場合は、栄養が偏らないように注意しつつ、治るまで気長に治療を続けましょう。

下痢の原因は、食物アレルギー以外にも多くあります。『下痢が起こるメカニズムや原因・治療・予防』で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

参考文献

  1. [1]東京都健康安全研究センター. アレルギー疾患に関する3歳児全都調査(平成26年度)
  2. http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/allergy/pdf/res_a06.pdf(参照2018-04-13)
  3. [2]日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会. 食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版
  4. https://www.dental-diamond.jp/conf/nakakohara/allergy_2016/html/chap03.html(参照2018-04-13)

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