体質によるもの
2018.04.27

セリアック病とは?パンやうどんとの関係は?

「グルテンフリー・ダイエット」と検索すると「セリアック病」という病気が関連ワードとして見つかることがあります。このセリアック病とは一体どんな病気なのか、症状や原因、治療法についてドクター監修の記事で紹介します。

「セリアック病」という病気の名前は、下痢などを起こす原因や、「グルテンフリー・ダイエット」という食事法の関連語句として挙がることがあります。

生活の中ではあまり聞き慣れない言葉ですが、一体どんな病気なのでしょうか。セリアック病の症状や原因、治療法などについて詳しく紹介します。

セリアック病とは

セリアック病がどのように起こる病気なのか、また、ダイエットとの関係について解説します。

日本人にはほとんど見られない病気

セリアック病とは、食物に含まれる「グルテン」に対して体の免疫システムが反応してしまい、色々な健康の問題が起こる病気です。グルテンとは小麦粉に水を加えてこねたときにできるタンパク質のことで、弾力と粘着性に富んでいます。パンがふっくらと仕上がったり、うどんにコシが生まれたりするのは、このグルテンのおかげです。

セリアック病を持つ人が、グルテンを含むパンやうどん、パスタなどを食べると、免疫システムの反応によって、小腸の表面(絨毛状突起)が損傷してしまいます。小腸の表面は食物の栄養を消化・吸収する重要な器官なので、結果として食物が未消化のまま下痢として排出されてしまったり、栄養失調の状態になったりと色々な不調が起こります。

さらにセリアック病の原因ははっきりと判明しておらず、生涯のいつでも発症する可能性があります。ここまで読むと怖い病気のように思えますが、患者数は欧州で多く、日本でのセリアック病の患者数は増加傾向にあるものの、きわめてまれとされています。また、人種によっても発生頻度が変わり、白人で多く、黒人やアジア人では少ないようです[1]。

グルテンフリー・ダイエットとの関係

セリアック病にかかっている場合、基本治療はグルテンを摂り入れない食事を続けることとなります。前述の通り、セリアック病の患者は欧州に多いため、欧州ではグルテンを制限した「グルテンフリー・ダイエット」という食事法が誕生し、日本でも一時期話題となりました。ダイエットという単語からは、体重を減らすための運動や食事法のことを連想しがちですが、この場合のダイエットは英語本来の「(治療のための)規定食、食事制限」という意味になります。グルテンフリー・ダイエットで体重が落ちたという人がいた場合、それはグルテンフリー・ダイエットがもともとの目的で有効に働いたのではなく、パンや麺類など主食を抜いたことによる摂取カロリーの低下が体重減少につながったのかもしれません。

セリアック病の症状

セリアック病の患者がグルテンを含む食物を摂り入れると、小腸の損傷によって消化物の栄養吸収が行われないため、便の水分量が増えてしまい下痢になります。よく見られるのは、脂肪が消化されないまま便に混じってしまう「脂肪便」という状態です。色は白っぽく、脂ぎってギラギラとした見た目になります。また、各種の栄養を吸収できないことで全身に不調が出るようになります。

セリアック病の治療

特別な薬は必要なく、グルテンを摂り入れない食生活を続けていくことが基本です。免疫システムによって傷ついた小腸の表面も、グルテンフリー・ダイエットを続けることで治っていきます。

もし小麦製品を食べた後に下痢や脂肪便の症状が出る場合、なんらかの病気にかかっている可能性がありますが、下痢の原因はセリアック病以外にもさまざまなものがあります。詳しくは『下痢が起こるメカニズムや原因・治療・予防』で紹介しているので、あわせてご覧ください。

参考文献

  1. [1]デニス L. カスパーほか. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル 2017; 1991-1993

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