感染症(食中毒)
2018.04.27

赤痢菌とは?症状や感染経路・検査・治療

「赤痢菌」と聞くと、赤い血のような少し怖いイメージがあるかもしれません。赤痢菌は食中毒の原因菌のひとつでもあります。赤痢菌がどのように感染するのか、症状や治療はどのようなものかについてドクター監修の記事で紹介します。

腹痛を感じている男性

「赤痢菌」と聞くと、赤い血便が出るような少し怖いイメージがあるかもしれません。実際に赤痢菌に感染すると血便が出ることがあり、感染経路も食品など身近なものですが、衛生環境に気をつければ感染を予防できます。

この記事では、赤痢菌に感染するとどのような症状が出るか、また、感染経路や検査方法、治療法などについて紹介します。

赤痢菌に感染したときに見られる症状

赤痢菌は感染力が高く、わずか10~100個くらいの菌が侵入するだけでも感染が成立します。感染すると1〜5日の潜伏期間を経て、発熱をともなう全身のだるさや腹痛、水っぽい下痢が見られるようになります。

体内に入った赤痢菌は、大腸の細胞に侵入し、大腸の細胞を次々と壊してしまいます。そうして、赤い血の混じった下痢(粘血便)や嘔吐、しぶり腹(テネスムス)の症状が現れます。しぶり腹とは、腹痛があり便意があるにも関わらず、トイレに行っても便が出ないか、少ししか出ない状態のことです。

赤痢菌の感染経路と予防法

感染力の高い赤痢菌が、どのような経路で感染するのか紹介します。

汚染された食品や水からの感染が多い

赤痢菌の感染は、世界中で広く見られますが、特に衛生環境の整っていない場所で多く起こります。日本国内では減っていますが、東南アジア(インド、インドネシア、タイなど)に渡航したときに感染する人が多いのが現状で、感染者の70〜80%は青年層です[1]。感染経路は、感染者の糞便に汚染された手指、食品、水、ハエなどを介した食器や器物などからの経口感染です。

赤痢菌の感染予防

赤痢菌に対する予防接種はないので、赤痢菌を口に入れないようにします。衛生環境の整っていない地域では、生水や生野菜、カットフルーツなどの加熱していない食品は食べないように注意しましょう。赤痢菌は熱には弱いですが、冷凍しても死なないので氷の入った冷たい飲み物などにも注意してください。

また、トイレ後や食事の前は石鹸と流水で十分に手を洗うようにしましょう。海外旅行中は手を洗える場所が限られているので、アルコールジェルを持参するのも一つの手です。

身近に赤痢菌感染者がいる場合は、二次感染にも注意が必要です。感染者が触れたトイレのドアノブや水道の蛇口は、アルコールで拭き掃除して消毒しましょう。タオルも共用すべきではありません。便がついた衣服があれば、消毒して処分してください。

赤痢菌の検査方法・治療

赤痢菌の検査方法は、便を採取して診断されます。症状から赤痢菌感染の可能性がある場合は、第3類感染症なので直ちに近隣の病院を受診してください。その際に以下のことを医師に伝えるようにしましょう。

  • 症状(下痢、腹痛、便通、熱など)がいつから出ているか
  • 便の状態(柔らかさ、色、血の有無、回数など)
  • 渡航歴(渡航先、期間)
  • 周りの人に同様の症状があるか否か

治療は対症療法と抗菌薬療法を行います。下痢の症状に対しては、病原菌が排出されなくなることを防ぐために、強い下痢止めは使いません。乳酸菌やビフィズス菌などの整腸剤を併用します。

また、下痢症状が強い場合は脱水を防ぐために、水分補給を行います。自分でも経口補水液をドラッグストアやコンビニエンスストアなどで購入して脱水を予防することができます。薬物治療としては、赤痢菌に対して抗菌薬を使用します。

細菌性赤痢の症状や治療法について紹介しましたが、下痢を引き起こす原因は他にもいろいろなものがあります。詳しくは『下痢が起こるメカニズムや原因・治療・予防』で紹介しているので、あわせて参考にしてください。

参考文献

  1. [1]NIID国立感染症研究所. "細菌性赤痢とは" NIID国立感染症研究所. https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/406-dysentery-intro.html (参照2018-4-8)

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