感染症(食中毒)
2018.03.26

黄色ブドウ球菌で起こる下痢の症状と治療・対策

黄色ブドウ球菌は多くの人の皮膚や粘膜に生息する常在菌ですが、食中毒の原因となることもあります。黄色ブドウ球菌が原因で起こる下痢などの症状や治療、予防、対策についてドクター監修の記事で詳しく紹介します。

お昼ご飯に手作りのおにぎりやサンドイッチを食べて、夜になったら吐き気や下痢の症状が現れてしまった。こんなときは、黄色ブドウ球菌による食中毒かもしれません。

黄色ブドウ球菌は食中毒の原因菌として有名ですが、実は誰の身体の中にも存在している菌で、普段は悪さをすることはないのです。黄色ブドウ球菌の食中毒ではどんな症状が出るのか、どうして起きてしまうのか、などについて詳しく紹介します。

黄色ブドウ球菌で起こる下痢の症状

黄色ブドウ球菌で起こる食中毒の症状は、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢などです。まれに発熱が見られることもあります。特徴は、体内に侵入してから発症までの期間が短いことです。黄色ブドウ球菌に汚染された食べ物を食べると、1~5時間(平均3時間)という短い間で症状が現れます。

黄色ブドウ球菌による食中毒の原因

皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌は、なぜ食中毒を引き起こしてしまうのでしょうか。原因やメカニズムを解説します。

調理者の皮膚から菌が付着

黄色ブドウ球菌は皮膚上に存在している他、膿(うみ)ができてしまうときの原因菌で、吹き出物(毛包炎)やおできの中に多く存在しています。調理前に手洗いを徹底すれば問題ありませんが、調理中に吹き出物に触ったり、手のひらに化膿した傷があったりすると、食品に黄色ブドウ球菌が付着してしまうのです。

食品中で毒素を分泌

食品の中に含まれる黄色ブドウ球菌は、増殖するときにエンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生します。調理してから時間のたったおにぎりやサンドイッチを食べると、エンテロトキシンを体内に取り入れることになってしまいます。

さらに、この毒素は100℃で加熱してもその毒性が失われることはありません。料理はつくりたてをいただくことが一番美味しい食べ方ですし、黄色ブドウ球菌の食中毒予防にもつながります。

黄色ブドウ球菌による食中毒の治療と対策

黄色ブドウ球菌による食中毒にかかってしまったときの治療と、かからないための対策を紹介します。

治療

特別な治療はありませんが、通常は1~2日で自然に回復します。下痢や嘔吐で水分が失われているなら、水分を補給します。その場合はミネラルも同時に失っているので、経口補水液がおすすめです。症状が重い場合は、病院での治療を行います。

対策(1)黄色ブドウ球菌を摂り入れない

黄色ブドウ球菌は時間が経つごとに増殖するので、調理されたものはできるだけ早く食べましょう。すぐに食べられない場合は、冷蔵か冷凍するなどして、菌の増殖を防いでください。

屋台で売られている食べ物は、作りたてを選ぶようにします。特に海外では衛生に関する考え方が違うこともあるため、食事は調理したての料理が食べられるレストランを選ぶようにし、屋台などで売られている食べ物は調理のタイミングがわからなければ避けた方がよいでしょう。

対策(2)黄色ブドウ球菌をうつさない

料理する側としての対策としては、まず調理前の手洗いは絶対です。また、調理中に顔や髪などを触らないようにします。手が荒れていたり化膿した傷ができていたりする人は、おにぎりやサンドイッチなどの調理時に手袋やラップフィルムを使いましょう。

黄色ブドウ球菌による下痢について紹介しましたが、下痢の原因はほかにも多くあります。『下痢がちな人が気をつけるべき5つの原因とは』で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

今すぐ読みたい

「感染症(食中毒)」の関連情報