感染症(食中毒)
2018.04.27

カンピロバクター腸炎とは?症状や原因・治療・対策

カンピロバクターは食中毒の原因菌として多く報告されており、下痢や腹痛などを引き起こします。カンピロバクター腸炎の症状や感染経路、どのような治療を行うかについてドクター監修の記事で紹介します。

腹痛を感じる女性

食中毒の原因として、「カンピロバクター」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。実際に、2016年の報告によると、カンピロバクターはノロウイルスに次いで発生数が多く、食中毒の原因菌として有名です[1]。

鶏肉や牛レバーを食べたあとに、胃腸の様子がおかしい場合、食中毒なのではないかと疑ってしまいがちですよね。もしカンピロバクターに感染していたら、どのような症状が出るのでしょうか。また、どうすればよいのでしょうか。カンピロバクター腸炎について、詳しく解説します。

カンピロバクター腸炎の症状

カンピロバクターに感染すると、発熱や腹痛、下痢の症状が現れます。吐き気や嘔吐、頭痛、悪寒などが見られることもあります。特徴は他の食中毒菌と比べて、潜伏期間が一般に1~7日間程度(平均2~3日)と、少し長いことです。

食中毒の症状が起こるメカニズムは、原因物質によって異なり、食品中で菌が作った毒素によるものや腸管に入ったあとで菌がつくった毒素によるもの、菌自体が腸管に炎症を起こすものなどいろいろなタイプがあります。カンピロバクターは、菌がお腹に入ってから増殖し、腸の細胞を破壊することで発症すると考えられています[2]。

カンピロバクター腸炎の原因・感染経路と予防

どのような食品がカンピロバクター腸炎の原因となるのか、また、感染経路と予防策についてもご紹介します。

原因と感染経路

病原菌であるカンピロバクターは、家畜、鳥類、イヌやネコなどの腸に存在しています。菌に汚染された食品を摂取したことによるものや、不十分な殺菌による井戸水、湧水などを介した水系感染が報告されています。食品に付着していたカンピロバクターが調理器具や手指などを介して他の食品に付着(二次汚染)し、それを食べたことで発症したと推定される事例もあります。

カンピロバクター腸炎の予防と対策

カンピロバクター腸炎に感染しないためには食品の十分な加熱と、二次感染に注意することが重要です。特に小さいお子さんや高齢者など、抵抗力が比較的弱い年齢層で感染しやすくなります。下記のことに注意しましょう。

  • 生肉を扱った手は他の食材に触る前に必ず洗う
  • 生肉は十分に加熱する(65℃以上で数分間の加熱で死滅)
  • 生肉の調理に使用した器具は他の物の調理には使用しない
  • 生肉の調理に使用した調理器具は洗剤で洗った後熱湯をかける、また十分に洗浄し日光に当て乾燥させる
  • 鶏肉を冷蔵庫で保存するときは、個別に蓋付きの容器に入れる

カンピロバクター腸炎の治療法

カンピロバクター食中毒の初期症状(下痢、腹痛、発熱など)は、この食中毒特有のものではないので、自分では何の病気による症状か判断することはできません。食中毒の種類によっては、自己判断による下痢止めの服用などで症状が悪化する場合もあるので、下痢や腹痛がひどい場合は、必ず医療機関の診察を受けて原因を調べてもらい、適切な治療を受けるようにしましょう。

カンピロバクター以外の下痢の原因については、『下痢が起こるメカニズムや原因・治療・予防』で紹介しています。あわせてご覧ください。

参考文献

  1. [1]厚生労働省. "平成28年(2016年)食中毒発生状況" 食中毒統計資料.
  2. http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/H28jokyo_1-1-2.xls (参照2018-03-20)
  3. [2]医療情報科学研究所編. 病気がみえる vol.6 免疫・膠原病・感染症. 第1版. メディックメディア 2009; 179

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