感染症(食中毒)
2018.03.26

ノロウイルスの潜伏期間は?症状・原因・治療・対策

冬に流行しやすいノロウイルスは、非常に感染力が高く、ひどい下痢や嘔吐をともなうことで知られています。ここでは、ノロウイルスの症状や原因、潜伏期間、さらには治療方法や予防対策までドクター監修の記事で解説します。

ノロウイルスに感染すると、下痢だけでなく吐き気や嘔吐(おうと)、腹痛などに見舞われてとても苦しいイメージがあります。流行期は飲食店や公共施設などいたるところで感染する可能性がありますし、身近な人が発症したと聞いて「自分も一緒に感染したのでは」と心配になることもあるでしょう。

ここでは、気になるノロウイルスの症状や原因、潜伏期間などについて解説します。あわせて治療方法や対策についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ノロウイルスの潜伏期間と症状・原因

ノロウイルスは、急性胃腸炎を起こす小型球形ウイルスです。非常に感染力が高く、100個程度のウイルスが入っただけでも体内で増殖し、発症するおそれがあります。

厚生労働省の調査によると、ノロウイルスによる感染症は毎年11月から発生件数が増え、12月から翌年1月にかけて流行のピークを迎える傾向があります[1]。

潜伏期間

ウイルスが体内に入り、増殖して発症するまでの間を潜伏期間と言いますが、ノロウイルスの場合は平均して24時間から48時間、もっと短い場合は10数時間で症状が現れることもあります[2]。

ノロウイルス感染症の主な症状

潜伏期間を過ぎて発症すると、激しい吐き気や嘔吐、水のような下痢を起こします。発熱や悪寒、のどの痛みや筋肉痛、倦怠感をともなうケースも見られます。嘔吐や下痢は、1日数回から、ひどいときは10回以上にのぼることもあります。しかし、その症状が続くのは数時間から数日、平均して1~2日ほどです。

ノロウイルス感染症の原因

ノロウイルスは、汚染された食べ物から感染するケースのほか、人から人へと感染することもあります。原因と感染経路は以下のとおりです。

  • 汚染された牡蠣など、非加熱の二枚貝を食べて感染する「経口感染」
  • 感染者の便や吐しゃ物を吸い込む「飛沫感染」
  • 便や吐しゃ物がついた手を媒介して口に入る「接触感染」

ノロウイルスは感染力がとても高く、生存期間も長いという特徴があります。嘔吐や下痢といった症状がなくなった後も、便中には3~7日間ほどノロウイルスが排出されています。身近でノロウイルス感染者が出た場合は、二次感染に気をつけましょう。

また、人によっては嘔吐や下痢などの症状が出ない「不顕性感染」になっていることもあります。この場合でも便中には多くのノロウイルスを排出していますので、周囲に感染を広げないよう、手洗いをはじめ予防対策を欠かさないことが重要です。

ノロウイルスの治療や対策方法

感染力が極めて強く、発症するとひどい下痢や嘔吐に悩まされるノロウイルス。治療や予防方法についてもきちんと知っておきましょう。

治療方法

現在のところノロウイルス感染症の特効薬や、ウイルスの増殖を防ぐワクチンなどはありません。病院に行っても整腸剤や痛み止めの処方や、点滴を行うなどの対症療法が行われるのみになります。

症状が持続する期間も平均1~2日と短いので、その間は脱水症状を起こさないよう水分をしっかり補給しましょう。おすすめは、水分と一緒に失われた電解質(ミネラル)を補給できる経口補水液です。経口補水液は、薬局やドラッグストア、コンビになどでも入手することができます。

なお、体内からウイルスを出してしまうことが大切ですので、下痢止め薬は使用しないようにしましょう[1]。

ノロウイルスによる急性胃腸炎は、体力がある人であれば長引いたり、重症化したりすることはまずありません。ただし、子供やお年寄りが発症したときは脱水症状がひどくなったり、嘔吐した物をのどに詰まらせたりすることもあるので注意深く見守りましょう。

予防・対策方法

ノロウイルスは感染の可能性がいたるところにあり、特に学校や職場、公共施設などでの集団感染や家庭内での二次感染も懸念されています。

もっとも重要な予防方法となるのは手洗いです。石鹸を使用し、流水でしっかりと洗い流しましょう。

  1. 手を濡らしてから石鹸を必要量取り、泡立てる
  2. 手の甲に反対の手のひらを重ねる、手のひら同士を合わせて指を組むなどして手と指の間を洗う
  3. 指先を反対側の手でつかむようにしながら指先や爪の間を洗う
  4. 親指を反対側の手でねじるようにしながら洗う
  5. 手首も洗い、流水で汚れや石鹸成分をしっかり流す
  6. 清潔なタオルやペーパータオルで水気を拭き取り、タオルを使って蛇口を閉める

手洗いは調理前、食事前、トイレ後に必ず行いましょう。すぐに手を洗えない場合は補助対策としてアルコール消毒液で手指を消毒するのもよいでしょう。

牡蠣など二枚貝の生食はノロウイルスの感染原因となることがあります。流行期は避けるか、中までしっかり火を通してから食べるようにしましょう。また、家庭での調理や配膳は上記の方法で手をしっかり洗ってから行い、まな板やふきん、調理器具、食器なども常に清潔にしておきましょう。

吐しゃ物が落ちた床や衣類、便座などのトイレ周り、ドアノブや手すりなどの身の回りのものは、ノロウイルスが付着している可能性があります。ウイルスを吸い込んだり口に入れたりしないよう、使い捨ての手袋やマスクをしてから慎重に汚物を取り除き、水で希釈した次亜塩素酸ナトリウムで消毒を行いましょう。次亜塩素酸ナトリウムは薬局やドラッグストアでも販売していますし、市販の家庭用漂白剤などでも代用が可能です。

参考文献

  1. [1]厚生労働省."ノロウイルスに関するQ&A"厚生労働省.
  2. http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html(参照2018-03-16)
  3. [2]国立感染症研究所 感染症情報センター."ノロウイルス感染症とその対応・予防(家庭等一般の方々へ)"(2006/12/25 改訂)
  4. http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-a.html(参照2018-03-16)

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