感染症(食中毒)
2018.04.27

回虫が人間に感染するとどうなる?症状や治療・対策

回虫は寄生虫の仲間で、人間に寄生することがあります。さらに種属によっても寄生する場所や症状が変わります。回虫症に感染しないために何ができるか、また症状や治療について、ドクター監修の記事で詳しく紹介します。

気だるそうな女性

ペットを飼っている方なら「回虫」という寄生虫の名前を聞いたことがあるかもしれません。犬回虫や猫回虫とも呼ばれ、糞便に含まれる虫卵から感染が広がります。

寄生虫と聞くと、人間にも寄生するのか気になりますよね。結論から言うと、回虫にも様々な種類があり、人間に寄生するものもあります。どのような回虫に気をつければよいのか、また寄生されるとどのような症状が出るのかなどについて、ドクター監修の記事で紹介します。

人間に回虫は寄生する?

回虫には様々な種類が存在し、生き物ごとに寄生する種属が異なっています。人間には、ヒト回虫が寄生し、ペットには犬回虫や猫回虫が寄生します。回虫は口から取り込まれると小腸に寄生し、肺から気管支を通り、痰の中に混じって喉へ、そして飲み込まれて小腸に戻るサイクルを繰り返します。

人間に適応しているのはヒト回虫ですが、まれに人間にもペットの回虫が寄生することがあります。その場合は目や脳などに寄生してしまう恐れもあるので、要注意です。

ヒト回虫の特徴や症状、治療法

ヒト回虫は感染者の便中に含まれる卵が土に混ざり、野菜などを通して口から体内に入り感染が広がります。幼虫か成虫かで症状が異なっており、幼虫の卵を多数摂取した場合は、幼虫が肺に入り肺炎(回虫性肺炎)などを起こします。少数の成虫の場合、まれに上腹部の痛み、食欲異常、悪心、おう吐などの消化器症状が現れます。近年日本でみられる症例は、成虫の少数感染が多いため、症状が現れないまま排便時に気づくということがあるようです[1]。しかし、成虫が多数感染した場合は、たくさんの回虫が塊状に集まって腸閉塞などを起こします。治療には駆虫薬を用いますが、腸閉塞を合併している場合は手術や内視鏡で除去する必要があります。

イヌやネコの回虫の特徴や症状、治療法

犬や猫の回虫が人に侵入した場合、成虫にまで発育せずに、幼虫のまま体内を移行して内臓や眼などに侵入してさまざまな障害を引き起こしてしまいます。感染した犬や猫の糞便中に排出された虫卵が何らかの経緯で口から入ってしまったり、ニワトリなどのレバーを生で食べてしまったりして感染するようです。侵入する臓器によって症状が異なりますが、発熱や全身のだるさ、食欲不振が起こるようになります。肺に寄生すれば咳が出たり、脳に寄生すればてんかんのような発作の原因となったりします。眼球に移行すると、視力や視野に障害がおこります。

腹痛や吐き気、下痢を引き起こす原因には、寄生虫以外のものも多くあります。詳しくは『下痢が起こるメカニズムや原因・治療・予防』でご覧ください。

参考文献

  1. [1]食品安全委員会. "平成 22 年度食品安全確保総合調査「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」より抜粋" 食品安全委員会. http://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/H22_33.pdf(参照2018-04-11)

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