感染症以外の病気
2018.04.27

炎症性腸疾患とは?原因や症状・治療

下痢の原因のひとつに炎症性腸疾患があります。腸に炎症が起きてしまう病気をまとめて呼んだものですが、どんな病気が含まれて、どのような症状が見られるのか、また治療は何を行うのかなどについて、詳しく紹介します。

腹痛の男性

下痢の原因について調べていると、「炎症性腸疾患」という病名にあたることがあります。普段の生活ではあまり聞くことがありませんが、病気の分類を表した言葉です。この記事では、炎症性腸疾患とはどんな病気なのか、どんな症状が現れるのか、治療などについて紹介します。

炎症性腸疾患とはどんな病気?

炎症性腸疾患とは、腸に炎症が起こる病気の分類であり、広義では多くの病気が含まれます。ただし、最近では炎症性腸疾患と言うと、一般的に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の二つの病気を指すことが多いようです。炎症を起こす原因が明確かどうかでさらに分類され、原因がはっきりしているものを「特異的炎症性腸疾患」、はっきりしていないものを「非特異的炎症性腸疾患」と呼んでいます。

原因が明らかな特異的炎症性腸疾患

特異的炎症性腸疾患は、さらに下記のように分類されます。細菌やウイルスによる食中毒などは、感染性に含まれます[1]。

  • 感染性:細菌やウイルスなどの病原体が、腸管に感染することで発症するもの
  • 薬剤性:治療を目的として服用した薬によって引き起こされるもの
  • その他:大腸への血流が低下することによって引き起こされる虚血性大腸炎など

原因が明らかでない非特異的炎症性腸疾患

前述のクローン病や潰瘍性大腸炎は、こちらに分類されます。

  • クローン病:小腸や大腸などに浮腫や潰瘍ができてしまい、下痢や腹痛が起きたり、腸管が狭くなったりするなどの症状が発生する病気です。炎症は口から肛門までの全消化管に起こる可能性があります。
  • 潰瘍性大腸炎:大腸と結腸の粘膜が炎症を起こしてしまう病気です。下痢や腹痛、発熱などの症状が見られます。

炎症性腸疾患の症状

人間の体は、外敵が侵入したことを検知すると、追い出そうと様々な反応が起こります。腫れや発熱、痛みなどの反応を炎症と呼び、炎症性腸疾患では、この炎症が腸を含む消化器官内で起きています。炎症の原因や広がり、強さ、または場所によって重症度は異なってきますが、例えば腸の粘膜の炎症がひどくなってただれてくると、そこから体液がしみ出してきます。消化物の水分量が増えることになるので、結果として下痢が起きたり、さらに傷害が進んで出血するようになると便に血が混じったりします。

腸は食べたものの栄養を吸収する役目もあるため、腸粘膜が炎症を起こして機能が低下すると栄養吸収が不足してしまい、食べていても体重が減少することもあります。

炎症性腸疾患の治療

感染性や薬剤性など、原因がはっきりしているものは、まず原因物質を取り除くことを目的とします。その上で、下痢がひどい場合は脱水の危険性があるため、水分補給を行います。下痢では体内の水分の他に、電解質も失っているため、同時に補給するのが有効です。自分で水分補給する場合は、水分と電解質をバランスよく含んだ経口補水液が適しています。

クローン病や潰瘍性大腸炎などの非特異的なものについては、食事療法や薬物療法、外科手術など、個人の症状や発症部位、合併症の有無などによって、様々な治療法が用いられます。生活習慣に気をつけながら、症状が出ない状態が続くことを目指していきます。

下痢の原因は、炎症性腸疾患以外にも様々なものが存在します。『下痢が起こるメカニズムや原因・治療・予防』で詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。

参考文献

  1. [1]医療情報科学研究所編. 病気がみえる vol.1 呼吸器. 第5版. メディックメディア 2016; 162

今すぐ読みたい

「感染症以外の病気」の関連情報