感染症以外の病気
2018.04.27

吸収不良症候群とは?原因や症状・治療

消化・吸収のプロセスに問題が起こる病気をまとめて、「吸収不良症候群」と呼びます。下痢も症状のひとつです。ここではドクター監修のもと、吸収不良症候群の特徴や、症状、治療について詳しく紹介します。

おなかが痛い女性

下痢を引き起こす原因は、感染症や刺激の強い食べ物など様々なものがありますが、「吸収不良症候群」もそのひとつです。

下痢の原因となる吸収不良症候群とは一体、どのような状態なのか、何が原因となるのかなどについて、ドクター監修の記事で紹介します。

吸収不良症候群とはどんな病気?

吸収不良症候群とは、食物を消化し栄養として体内に取り込むまでの間に何らかのトラブルが発生し、下痢や栄養失調などが起こる病気の総称です。栄養を吸収するのは主に小腸の役割ですが、その前段階の消化には、胃や膵臓、肝臓など色々な臓器が関わっています。これらの臓器のどこかに障害が発生したり、消化液に異常があったりすると吸収がうまく行われません。

人体における吸収のプロセスは複雑です。食物そのままの状態では栄養を吸収してエネルギーへと変換できないため、段階を踏んで化学的に分解する必要があります。まず口で噛み砕かれた食べ物は、胃に送り込まれ、胃液で消化されてドロドロのおかゆ状になります。さらに、続く十二指腸という部分では、膵臓と肝臓でつくられた消化液が混ざり、栄養素がより小さくなるように分解されます。栄養素によってはこの後に小腸からそのまま吸収されますが、小腸の壁にある器官でさらに消化の工程をはさむこともあります。吸収不良症候群に分類される病気には、食物の消化に問題が起こるものと、小腸での栄養吸収に問題が起こるものの大きく2つが含まれます。

消化に問題が起こる病気

消化液の生産能力や輸送能力が低下すると、食物をうまく消化できなくなります。例えば、膵臓に問題があると膵液の分泌量が低下します。膵液は各栄養素を分解する酵素を含んでいますが、特に脂肪の消化に大きく関わっているので、膵液の減少により脂ぎったギラギラとした便(脂肪便)が出るようになります。膵臓の機能が低下する病気には、慢性膵炎や膵臓がんなどがあります。

胆汁の分泌量が低下しても、消化がうまくいかなくなります。胆汁をつくっているのは肝臓なので、肝硬変など肝臓機能が低下する病気になると下痢が発生します。胆汁が通る胆管がつまってしまう胆石症では、胆汁が輸送されなくなるので結果的に分泌量が減ることとなります。

栄養吸収に問題が起こる病気

なんらかの病気で腸を手術して小腸の長さが短くなると、栄養を吸収できる面積が少なくなるので吸収不良となります。また、小腸表面に炎症が起きると、機能低下が起こり栄養を吸収できなくなります。小腸に炎症を起こす病気にはクローン病やセリアック病、好酸球性腸炎などが含まれます。

吸収不良症候群に入る病気は、上記で挙げたもの以外に数多く存在します。

吸収不良症候群の症状と治療

下痢や脂肪便の他に、栄養不良によって全身に不調が現れます。エネルギーを産生できなくなるので疲れやすくなったり、各種の栄養が足りずに骨がもろくなったり貧血になったりします。また、成長期であれば、本来の発達が起きないといったこともあります。

治療は、原因となっている病気ごとに異なります。また、消化器官に問題が起こっているので、食事に気をつけたり不足している栄養を補給したりすることも重要でしょう。

下痢が治らない、いつも通り食べていても体重が減っていくなどの症状は吸収不良症候群でも見られますが、気になる症状があれば医療機関を受診してください。また、下痢の原因は感染症や食事によるものなど多くあります。『下痢が起こるメカニズムや原因・治療・予防』もあわせてご覧ください。

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