地域別下痢対策
2018.03.26

アフリカで注意すべき感染症と下痢対策

海外では、日本で発生しないような感染症の危険が多く存在します。食べ物や水だけでなく、蚊などの昆虫や動物なども感染源となるのです。アフリカ地域に渡航するときに注意すべき感染症対策を、ドクター監修の記事で紹介します。

アフリカ地域の観光地といえば、砂漠のあるエジプトやモロッコ、サバンナのあるケニアなど、自然豊かな場所が人気です。日本では見られない景色を味わえるのは素晴らしいことですが、異国の地では予期せぬ健康トラブルへの対策を忘れるべきではありません。

アフリカ旅行でも注意すべき「下痢」

「旅行者下痢症」という言葉があるくらい、海外旅行者にとって下痢は身近な病気です[1]。下痢の原因は多くの場合、汚染された水や食べ物に含まれる有害物質によるものですが、感染症の場合もあります。

特にアフリカでは、蚊や動物、河川に潜む寄生虫による感染症で下痢が起こることもあります。厚生労働省が発信している情報をもとに、アフリカで気をつけるべき感染症を、下痢症状が見られるものを中心に紹介します[2]。感染源ごとに病気と予防法もまとめているので、ぜひ渡航前の参考にしてください。

食べ物や水

有害な細菌に汚染された水や食物が、加熱不十分だったときに感染します。予防するには、調理されてから時間の経っている料理や、生の肉類、魚介類を避けます。食事前の手洗いも徹底しましょう。日本のレストランと違い、常におしぼりなどが用意されているわけではないので、アルコールジェルなどを持参するのもよいです。

赤痢

「赤痢」とは赤い(血の混じった)下痢の状態を呼んだものです。細菌によるものと赤痢アメーバによるものがありますが、どちらも加熱不十分の水や食べ物を介して感染します。血便のほかに激しい腹痛、便が出そうで出ない状態(しぶり腹)が見られます。

腸チフス

チフス菌という細菌が感染することによって、全身に症状が現れます。7~14日間ほどの潜伏期間を経て、発熱で始まります。全身に淡く白っぽい斑点状の盛り上がりや、だるさが見られることもあります。高熱の割に脈拍の上昇が見られないことが特徴で、発症から1週間ほど経って下痢症状が現れます。

コレラ

コレラ菌は水が多い場所に多く存在し、魚介類や汚染された水を通して人間の体内に取り込まれます。コレラ毒素という有害物質を腸の中で産生し、米のとぎ汁のような下痢を引き起こします。重症例だと1日に10リットル以上出ることもあるようです。体内の水分が急激に失われるため、脱水に注意しなければいけません。

発展途上国では、蚊による感染症が蔓延しています。外出時は長袖の服を着て肌の露出を減らしたり、虫除けスプレーを利用したりします。寝るときに、蚊取り線香を使うのも効果的です。

マラリア

ハマダラカという蚊に刺されることで、蚊の唾液中に存在する原因微生物が入り込み感染します。潜伏期間が14日前後あるので、旅行から帰ってきたときに発症することが多いようです。発熱・貧血・脾腫(脾臓が腫れること)が主な症状で、下痢や嘔吐、筋肉痛、頭痛などが起こることもあります。マラリアは予防薬があるので、渡航予定の方は医師に相談してみてください。

デング熱

ネッタイシマカなどの蚊が運ぶウイルスが、吸血活動によって感染します。東京都の代々木公園で感染者が出たニュースを覚えている方も多いでしょう。蚊に刺されてから7日ほどで発症し、高熱と全身の痛みを発症します。まれですが下痢をともなうことがあります。

動物

動物が原因物質を保有している可能性が多くあります。国内で見かけないような動物がいると珍しさから触れたくなるかもしれませんが、むやみに近づかないようにしましょう。

鳥インフルエンザ

通常、鳥類に感染するインフルエンザウイルスが、鳥・人間間で触れあうなどの接触を通して感染します。症状は通常のインフルエンザと同じような、高熱、全身の倦怠感、咳などの呼吸器症状です。腹痛をともなう下痢や嘔吐、胸の痛みなどが現れることもあります。

川や湖、沼地

淡水にいる寄生虫が、皮膚から体内に侵入します。飲むことはもちろん良くありませんが、触れても感染が起こるので、水浴びや遊泳も避けてください。

住血吸虫症

ビルハルツ住血吸虫、マンソン住血吸虫といった感染生物が体内に入り、腸管に寄生します。産卵された虫卵に対する身体の反応によって、腹痛や下痢、血便などの症状が現れるようになります。進行するとおなかに水が溜まり、膨らんできます。

旅行中の体調トラブル対策は準備が大切

ここまでで、下痢を起こす感染症を紹介しましたが、それ以外にも注意すべき感染症はいくつかあります。危険な感染症が蔓延しているために、予防接種が義務付けられている地域もあります。厚生労働省検疫所のホームページでワクチン接種についての案内を見ることができます。また、感染症以外の体調不良に備えて、市販薬を持参するのもよいでしょう。詳しくは『旅行の持ち物に入れる薬の選び方』をご覧ください。

参考文献

  1. [1]日本消化器病学会. "旅行中の飲食に注意すべきこと" 日本消化器病学会.
  2. http://www.jsge.or.jp/citizens/travel(参照2018-03-19)
  3. [2]厚生労働省. "海外で注意しなければいけない感染症" 年末年始における海外での感染症予防について.
  4. https://www.kantei.go.jp/jp/content/travel_kansensho.pdf(参照2018-03-22)

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