地域別下痢対策
2018.03.26

ヨーロッパ旅行の持ち物に入れるべき薬

海外旅行時は予期せぬトラブルがつきものですが、しっかり準備をしておけば最後まで旅を楽しむことができます。ヨーロッパ旅行の持ち物に加えておくと便利な薬について、薬の種類や注意点をドクター監修の記事で詳しく紹介します。

ヨーロッパは、美しい中世の街並みや牧歌的な風景が魅力の観光地域です。先進国が多く、発展途上地域と比べると過ごしやすそうな印象を受けますよね。

しかし、旅は予期せぬトラブルが発生しがちなため油断は禁物です。特に体調を壊してしまっては、せっかくの観光計画も台無しになってしまいます。健康トラブルを最小限にとどめるために、事前の準備をしておきましょう。この記事では、ヨーロッパ旅行の持ち物に加えたい薬の種類や注意点を詳しくご紹介します。

ヨーロッパ旅行の持ち物に薬を入れる理由

先進国であれば、薬はどこででも入手できそうに思えます。しかし、国外では医療機関をすぐに受診したり、自分にあった薬を手に入れたりできるとは限りません。ドラッグストアが見つかっても、言語の問題があり説明書きがちゃんと読めないことや、薬の品質が一定しているか不明なことがあります。そのため、出発前に市販薬をそろえて、もしもの時に備えておくのは有効です。ちなみに、普段から医師に薬を処方されている方は、もちろん一緒に持っていきましょう

旅行の持ち物に入れるべき薬

旅行中に起こりやすい体調トラブルと、対応した市販薬の成分を紹介します。ここで紹介しているのは一部なので、実際に買うときは薬剤師に相談してみてください。

下痢止め

下痢は、海外旅行者がもっとも起こしやすい病気としてよく知られています。原因は有害な細菌や食べ物など様々ありますが、発熱や血便の症状が出ているときは感染症にかかっている可能性があります。その場合、下痢は毒素を排出しようとしている身体の反応なので、腸の蠕動運動を抑える薬は使わないようにしてください。

  • 腸に入った有害細菌を殺菌:タンニン酸ベルベリン、アクリノール水和物
  • 腸の動きを正常化させる:木クレオソート
  • 腸内の有毒物を吸着する:ヒドロキシナフトエ酸アルミニウム、カオリン、天然ケイ酸アルミニウム
  • 腸粘膜の炎症をしずめる:次硝酸ビスマス、タンニン酸アルブミン
  • 腸の蠕動運動を抑える:ロートエキス、ロペラミド塩酸塩

かぜ薬

かぜは何らかの原因によって起こる呼吸器系の病気を総称したものです。多くの場合はウイルスによるもので、数日以内に治ります。これらの薬を使ってもかぜのような症状が治らなさそうであれば、ほかの病気の可能性があるので早めに医療機関を受診しましょう。

  • 解熱鎮痛成分:アスピリン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、エテンザミド
  • 鼻水やくしゃみを抑える:カルビノキサミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クレマチスチンフマル酸塩
  • せきを抑える:チペピジンヒベンズ酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、ジメモルファンリン酸塩
  • のどの炎症を抑える:リゾチーム塩酸塩、トラネキサム酸、グリチルリチン酸
  • 漢方薬:小柴胡湯、桂枝湯、葛根湯、小青竜湯

痛み止め

頭痛や生理痛、歯痛に効くとして売られている薬に入っている成分です。アセトアミノフェンは子どもにも使えるため、家族旅行を計画している方は持参すると良いかもしれません。

  • アセトアミノフェン
  • イブプロフェン
  • エテンザミド
  • アスピリン
  • イソプロピルアンチピリン

胃腸薬

旅行先のレストランでついつい食べすぎてしまって胃もたれが起きているようであれば、消化液の分泌を促進する生薬が効果的です。胸焼けや胃痛には、胃酸を中和したり分泌を抑えたりする成分を選ぶとよいでしょう。

  • 消化液の分泌を促進する(生薬):ソウジュツ、コウボク、ニンジン、ケイヒ、センブリ
  • 胃の粘膜を修復する:スクラルファート水和物、銅クロロフィリンカリウム、セトラキサート塩酸塩、L-グルタミン
  • 胃酸を中和する:マグネシウム、ナトリウム、ヒドロタルサイト
  • 胃酸の分泌を抑える:ニザチジン、シメチジン、ファモチジン

よい止め

乗り物酔いしやすい方で、船やバスに長時間乗る予定のある場合は、手荷物の中に入れておくとすぐに使えます。

  • 感覚の混乱を軽減する:スコポラミン
  • 吐き気を抑える:ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、メクリジン

薬を持参するときの注意点

海外に日本の市販薬を持参するときは、パッケージに入れたままの状態を保つことが勧められています。入国時に中身の確認を求められることがあるからです。処方薬の場合は、お薬手帳や薬剤師にもらう薬の説明文書を一緒に持っておくとよいでしょう。

ヨーロッパ旅行で気をつけたい健康トラブル

最後に、ヨーロッパ旅行時に気をつけたい体調不良や感染症について紹介します。予防法とあわせて参考にしてください。

食べ物や急性胃腸炎による下痢

先述の通り、下痢は旅行者に馴染み深い病気ですが、起きる原因と予防法を押さえておきましょう。比較的衛生環境の整っている地域では、発展途上国にくらべて細菌やウイルスによる食中毒は起きにくいかもしれません。しかし、食べ慣れていない料理を食べすぎると、油分や香辛料など腸を刺激する物質で下痢を起こすことがあります。

また、ヨーロッパ地方では硬水(マグネシウムなどミネラル分が多く含まれた水)が常用水として使われています。マグネシウムはおなかをゆるくする効果があるので飲み過ぎには注意してください。日本でもおなじみのノロウイルスは世界中で感染の可能性があります。食事前の手洗いは徹底しましょう。

旋毛虫症

「旋毛虫(せんもうちゅう)」と言う寄生虫による病気の一種です。豚やイノシシの肉の中に存在していて、自家製ソーセージなどから感染することが多いです。症状は腹痛や下痢に始まり、まれに心臓や脳、肺など臓器の炎症が起こることもあります。

ダニ媒介性脳炎

森林地帯に生息するマダニに刺されて感染する病気です。最初はインフルエンザのような発熱、頭痛、筋肉痛などの症状が出て、そこから脳炎によるけいれんやめまい、知覚異常などの神経症状が現れます。森林地帯に行く予定のある方は長袖・長ズボンを着用するなど、ダニ対策が必要です。

これまでヨーロッパ旅行の持ち物に入れるとよい薬を紹介しましたが、持参している薬だけですべての体調不良に対処できるわけではありません。渡航先によっては予防接種を打ったほうがよい場所もあります。厚生労働省検疫所のホームページで、予防接種の情報を公開しているので、旅行を計画中の方はご覧ください。

今すぐ読みたい

「地域別下痢対策」の関連情報