感染症(食中毒)
2019.01.16

なぜ牡蠣は「あたる」?生牡蠣を安心して食べるには?

牡蠣が美味しい季節になると、牡蠣鍋や生牡蠣の人気が高まります。プリプリと太った身の濃厚な味がたまらないという方は多いでしょう。一方で「牡蠣にあたる」という言葉があるように食中毒のイメージも強いですよね。なぜ食品の中で牡蠣に気をつけるべきなのでしょうか。また、安心して食べるにはどうすればよいのでしょうか。

牡蠣はあたる時がある写真

「牡蠣であたる」とは、牡蠣によって食中毒を発症するということです。食品の中で、なぜ牡蠣がとりわけ注意喚起されるのでしょう?

「牡蠣であたる」のはなぜ?

牡蠣であたる理由には、牡蠣の生態と食べ方が関係しています。まず、牡蠣を含む貝類は、体内に有毒な物質をためやすく、食中毒の原因となりやすいのです。牡蠣などの二枚貝は、常に大量の海水を取り込んで、その中にいるプランクトンや栄養を糧にして生きています。海水の中には有害なウイルスや菌が混ざっていることがあるため、成長する過程でウイルスや菌まで取り込み体内に蓄積してしまいます。

さらに、貝類の中でも牡蠣は圧倒的に生食の機会が多い食材です。もともと食中毒の原因物質を保有しやすい上に、加熱せずに食べることで食中毒のリスクがさらに高まります。

牡蠣であたるときはどんなとき?

とは言え、生牡蠣を食べた全員が食中毒を発症するわけではありません。どんなときに、「あたって」しまうのでしょうか。

加熱不十分でノロウイルスが残っているとき

ノロウイルスは牡蠣に含まれる食中毒の原因物質として有名ですが、牡蠣自体がもともとノロウイルスを保有しているわけではありません。ノロウイルスに感染した人間の便や吐瀉物が、下水から海に流れてしまうことがきっかけとなります。海水がノロウイルスに汚染されて、牡蠣などの二枚貝が成長過程で取り込んでしまうのです。ノロウイルスは加熱すれば感染力を失います。しかし、ノロウイルスに汚染された牡蠣を加熱不十分で食べると、食中毒を起こしてしまいます。

貝毒に汚染されているとき

貝類が蓄積する有毒な物質は多くあり、それらをまとめて一般的に「貝毒」と呼びます。貝毒の中には加熱しても毒性を失わないものがあり、貝毒を持った牡蠣を食べると、食中毒を起こすことがあります。

この事実だけを知ると、どんな貝でも食中毒の可能性があるように思えるかもしれません。しかし、出荷される貝類は定期的に毒性の検査が行われているため、市販のものであれば食中毒の可能性は低いと考えてよさそうです。

食材の鮮度が落ちたとき

調理する人の手指や調理器具が不潔だった場合、牡蠣に病原体が付着して食中毒の原因になることがあります。特に牡蠣は生のまま食べる機会が圧倒的に多く、加熱処理しない分、食中毒のリスクも上がりやすいでしょう。

牡蠣にあたらないためにはどうすればよい?

美味しい生牡蠣を楽しむときに、食中毒の心配をしたくはないですよね。安全に食べるためには、下記に気をつけるようにしてください。

  • 加熱用は絶対に生で食べない
  • 加熱は85℃で1分以上
  • 仕入先がわからないものは食べない
  • 保冷温度を守り消費期限内に食べる
  • 海外旅行時は生食を避ける

万が一牡蠣を食べて体調が悪くなったら?

牡蠣による食中毒は、多くの場合ノロウイルスが原因です。ノロウイルスに感染すると、1~2日の潜伏期間を経て嘔吐や下痢が現れます。その他、発熱やだるさなどが見られることもあります。

治療は対症療法で、下痢や嘔吐によって身体からウイルスが排出されるのを待つこととなります。その間は脱水状態にならないよう、こまめな水分補給が重要です。ドラッグストアやコンビニで入手できる経口補水液を利用すると良いでしょう。下痢止め薬はウイルスの排出を遅らせるので、使用はすすめられていません。

また、感染中は吐瀉物(としゃぶつ)や便に大量のウイルスが含まれています。感染者は周囲の人とタオルを別にしたり、トイレの使用後にドアノブを消毒したりすることで二次感染を予防できます。自亜鉛酸ナトリウム(キッチンハイター)で消毒するのも有効です。

まとめ

牡蠣は栄養も豊富で、旬のものは味わいも格別です。安全に美味しく食べられるように、加熱用のものを生で食べたり、清潔でない環境で調理したりしないように気をつけましょう。

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